公明新聞2012年7月10日掲載分

九州北部豪雨の爪痕/「街が濁った湖に」/土砂崩れ、氾濫で被害甚大/鉄橋流失、路面の崩壊も/公明、被災者支援に全力/福岡、大分県
九州北部を3日未明から襲った記録的な豪雨は、福岡、大分両県に甚大な被害をもたらした。土砂崩れや河川の氾濫などが相次ぎ、生々しい爪痕は今も残る。被害が集中した大分県日田市、中津市の被災状況や、公明党の取り組みを報告する。(九州支局・古野宏平)

「街並みがまるで濁った湖のように一変した……」。日田市上城内町でコメやイモなどを栽培する武内建則さん(61)は、土砂が流れ込んだ水田を見つめ、ぼう然と立ち尽くしていた。

日田市では1級河川・花月川の堤防が決壊し、住宅街や農地に濁流が流れ込んだ。武内さんの自宅は無事だったものの、田植えを終えたばかりの水田は泥にまみれて見る影もない。育ちかけたイネの苗が無惨に倒れ伏し、土があちこちでえぐり取られていた。「これを元に戻すのに何カ月かかるのか。収穫量も激減するだろう……」。武内さんはがっくりと肩を落とした。

一方、観光地として知られる中津市耶馬渓町も、1級河川・山国川の氾濫により大規模な水害に遭った。同川に架かる第2山国川鉄橋のほぼ半分が濁流で流失。

交流プラザ「やばの駅」では、駐車場だったとは思えないほど、路面が崩壊し、大きな水たまりが幾つもできていた。

同プラザの向かい側で飲食店を経営する甲斐信仁さん(70)は、3日午前8時半ごろ、突然、腰の高さまで水が押し寄せてきたため、店の裏から出て高台に避難。「車が何台も流されていくのを見た」と声を震わせた。市耶馬渓支所総務課の担当者は「これから夏休みに入り、観光客でにぎわう時期だっただけに、本当に残念」と悔しさをにじませた。

事態を重く見た公明党の福岡、大分両県本部は同日、直ちに対策本部を立ち上げ、被災現場に急行。秋野公造参院議員が同日、濱地雅一党青年局次長(次期衆院選予定候補=比例九州・沖縄ブロック)も5日、最も被害が大きかった日田市入りし、住民を温かく激励した。

さらに、党大分県本部は5日、県庁内で広瀬勝貞知事に対し、被災者支援などを求める緊急申し入れを行い、(1)被害実態の早急な把握と復旧支援対策を講じること(2)被災者の生活再建、経営再建について手厚い支援措置を図ること――など、計5項目を提言した。

国や県の支援制度を活用するなど、速やかに対策を講じていく

これに対し広瀬知事は、「国や県の支援制度を活用するなど、速やかに対策を講じていく」と約していた。

  ☆公明党 大分県議会議員 戸高賢史☆

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