公明新聞2012年7月16日掲載分

九州北部豪雨/濁流、生活のみ込む/各地で河川氾濫や土砂崩れ/「経験ない災害」不安募らす住民ら

活発な梅雨前線の影響で記録的な豪雨に見舞われた九州北部。熊本、大分、福岡、佐賀4県では、多数の河川が氾濫し、濁流と土砂が田畑や民家をのみ込んだ。一時約43万人に避難指示・勧告が出され、住宅損壊や床上・床下浸水も相次いだ。“泥の街”と化した各県の豪雨禍直後の現場を追った。(九州北部豪雨災害取材班)
『大分』
大分県は、3日に襲った豪雨災害からの復旧作業を進めるさなか、再び記録的な大雨に見舞われた。
河川の氾濫や土砂崩れなど、被害が大きかった竹田市では、最大時で市全域の1万564世帯2万4609人に避難勧告が出されたほか、住宅の全半壊35棟、床上・床下浸水147棟などの被害が出ている(15日午前10時現在)。
西日本有数のトマトの産地で知られる同市荻町でも、農家に深刻な被害が及んだ。同町でトマトやコメを生産する後藤茂さん(50)もその一人だ。土砂崩れにより、トマトハウス1棟が押しつぶされ、農業用水路も完全にふさがった状態に。ほかのハウス内でも、トマトの苗床に泥水がたまっていた。「初収穫を1週間後に控えていたのに……」。後藤さんは大きく実ったトマトを見つめ、嘆いていた。
一方、同市竹田地区では、市中心部を流れる玉来川の氾濫により、濁流が住宅街に流れ込み、路面の崩壊や横転した車など、荒々しい爪痕が残されていた。竹田地区山手自治会の会長を務める吉弘央さん(80)の自宅は、1階部分が浸水。「自慢だった」という庭は、がれきの山と化していた。吉弘さんは「これまでに経験した水害で一番ひどい」と疲れた顔でつぶやいていた。

  ☆公明党 大分県議会議員 戸高賢史☆

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